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一大率と女王



一大率」について、「」は帥のようですが、「一大」は壱岐対馬の「一大国」と同じですので、 「一大」は「イキ」と思います。「イキ」という言葉は地名として現在の伊都国の北に残っています。

西は一貴山(イキサン)という地名です。こちらは私は地理に詳しくないので、説明できませんが、 海の近くにある地名で、古墳時代の一貴山銚子塚古墳があります。

また北の「イキ」については 福岡市西区の海岸線は生の松原(イキノマツバラ)という海岸があります。そこには卑弥呼の時代 より後の時代にできたと思われる、「壱岐神社」があります。さらに数キロ内陸にもやはり「壱岐」 という地名があり、場所は野方遺跡の近くです。

去年帰省した際、地元の古老にお話をうかがったところ、 「壱岐」というのはこのあたり一帯が壱岐であるとおっしゃいました。 壱岐の中にそれぞれの地区、地名があるということでした。私も福岡市の出身ですが、 初耳でしたので更に確認したいと思います。

自女王国以北特置一大率検察諸国諸国畏憚之常治伊都国


女王国以北に一大率を置いて諸国を検察している常に伊都国が治めている

「女王国以北」はおそらく二通りしか考えられません。女王国から離れた北を指すのか、女王国を含めた北なのか。この二つに一つしか考えらません。
通常100以上といえば100,101,102と数える。それと同様「女王国以北」とは女王国以北に女王国=伊都国も含まれるべきで、伊都国が「一大率」を治めているのは当然である。

もう一度原文を見てください。主語は女王国です。女王国が「一大率」を置いて諸国を検察するのです。それを伊都国が常に治めるわけですから、女王国=伊都国となります。

もう一度帰省した際、壱岐神社に行きました。 右の画像に壱岐神社の住所が載っていますが、西区壱岐です。ここと、ここから離れた 内陸地も壱岐です。また河口に架かる橋も壱岐橋です。

このように伊都国の東西に「イキ」という地名が残っており、 これは「自女王国以北特置一大率」という記述と一致していると思います。「自女王国以北」というのは、 100以上を100,101,102と数える様に、「女王国」も「女王国以北」 に含まれていると考えられます。

東西の「イキ」という地名は現代の行政区では二丈町、 福岡市西区ですが、いずれも現代の糸島市との境界に隣接した所にあるので、 当時は伊都国内であった思います。 つまり伊都国の中心から離れた所に「一大率」が置かれたということです。

この位置に置かれたのは、生の松原が博多湾に面していることが、 「郡使往来常所駐」と書かれているように郡使を迎えるのに都合のいい 所であるし、隣の大国、奴国に面しているので、「自女王国以北特置一大率検察諸国諸国畏憚之常治伊都国」 のように諸国を検察するのに都合のいい場所であると思います。



さらに伊都国の中心付近に港があったと考えられる場所は前原市の 志登、潤(うるう)のあたりです、志登には 志登神社 があり、古代はこの近くまで、 海岸線がきていたそうです。その隣にある潤も去年古代の船の一部が発掘されました。 また糸島半島には泊(とまり)や船越(ふなこし)という地名があり、 こちらを「一大率」の場所とされる方もいらっしゃいます。

伊都国は「一大率」の存在と「郡使往来常所駐」となっているのはいうまでもありません。 「臨津捜露」の役目は港で、女王への贈り物や文物を検査することですから、 この役目自体が首都にある機能といっていいと思います。また軍事的にも価値があり、 それが伊都国に位置していたので伊都国が首都であると考えられます。

陳寿は女王卑弥呼が居る所には「女王国」と使いました。それ以外にも「女王」と書いています。 「女王」については私も悩みましたが、結論をいえば「女王」は複数の国々だと思います。

私は「女王国」という言葉を「女王之所」と解釈して首都の存在を前提としていすが、 それ以外にも陳寿が使っている言葉で独特の表現を使っているのではないかと思いました。 それが「女王」です。

以前は「女王国」と「女王」は同じだと考えていたのですが、原文をみていると どうも使い分けているように感じます。「女王」は「此女王境界」、狗奴国について「不属女王」 のように「自郡至女王国萬二千余里」と書かれ女王卑弥呼がいると思われる「女王国」から離れた場所には 「女王」と使っています。

狗奴国の「不属女王」の意味は女王卑弥呼に属していないという意味と、 もう一つの意味は「女王」の勢力範囲には属していない。と両方の意味が考えられます。

また「此女王境界」の「女王」は女王卑弥呼の境界というよりは、 「女王」の勢力範囲の境界といっているように思えます。つまり「女王」は「女王国」以外の勢力範囲を 「女王」と使っていて複数の国々が位置する範囲と考えられます。

そして「女王之所」 というのは複数の国々がある「女王」の勢力範囲の都といっているように思います。 ですから「女王之所」は女王卑弥呼がいる「女王国」と考えています。

案内1
壱岐神社の案内1

境内
壱岐神社の境内

案内2
壱岐神社の案内2

糸島半島
生の松原から見る糸島半島

鳥居
壱岐神社の鳥居

能古島
左は玄界島、右は能古島

東側
生の松原から見る(東側)

海側から撮影
壱岐神社の鳥居(海側から撮影)

元寇防塁
生の松原にある元寇防塁


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